大事なもの

長女の風花は、しっかり者で生まれたときからあまり手のかからない子。
我慢強くて、自分をしっかりともっているタイプ。

そんな風花が、昨日は、保育所に向かう車の中では機嫌良く、
「ママ、はっぱがきれいね~。とりさんたちもよろこんでるね~」
と話していたのに、
保育所に着いて教室に入るなり、私に抱きついて離れない。
「ママ、いかないで~」「だっこして~」と泣き出した。

15分ぐらいそんな状態が続き、見かねた保育士さんが、
「お母さん大丈夫ですから、お仕事に行ってください」
と、風花を抱こうとしてくださった瞬間、風花がものすごい暴れ方をして
泣き叫んだ。
それでも、後ろ髪をひかれるおもいで、保育士さんに促されて教室を後にした私。

車に戻ってからも、そんな風花の姿が頭から離れず、私も涙が溢れ出てきた。
私の心の中にある張り詰めた糸が音をたてて切れたかのように、涙が止まらない。

出社予定の会社に電話を入れる。
まりさんの声を聴くなり、また涙。
事情を話すと、まりさんが、
「私たちは大丈夫だから。会社はいいよ。今日は風ちゃんと一緒にいてあげて」。
と言ってくれた。
その言葉に甘えて、急きょ、仕事は全てキャンセル。

教室に戻り、風花だけを連れて帰り、それから二人だけの時間を過ごした。
彼女のリクエストで電車とバスに乗って市内をまわり、アンデルセンの本店で
モンブランを食べて、木のおもちゃ屋さんに行った。

いつもどんなときにも、「我慢強くて」「しっかり者」の彼女。
出張に出かける私にも、いつも笑顔で、
「行ってらっしゃい」と言う子が、あれだけ素直に自分の感情を表してくれたのだから、
私はその瞬間をきちんと受け止めてやりたい。と心から思った。
その行動が仕事人としてどうなのかと問われたら、何が正しい答えなのかと、
私自身、明確に答えられないかもしれないけれど、
それでもやっぱり、我が子たちを授かっての、「今」だから。

いつの日か、同じ女性として、そして、人として、風花が私のことを考えたとき、
完璧ではないけれど、一生懸命に、
「愛するべき者を、しっかりと愛していた人」
と理解してくれる日が来るのならば、私はそれで十分幸せである。

「ママは風ちゃんとたーくんが生まれてきてくれて、本当に幸せよ」
と何度も何度も伝えた一日だった。

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このページは2005年11月20日のエントリー「大事なもの」です。

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